Tsuda

無造作な描線と鮮やかな色彩によってさまざまな生き物を描いた津田の作品は、他者の視線と自意識のさまざまな関係を表現しています。描かれる生き物は実在、架空を問わず多岐にわたり、人間や、テレビに登場するキャラクターが主題となることもあります。一般に描き手は主題となる生き物を作る者であると同時に、その生き物を見る者でもあり、したがってその生き物の自己認識とその生き物に注がれる他者の視線は同一のものとして描かれがちです。たとえば異形の怪物はみずからを異形の怪物と正しく認識しているかのようであり、そこには自己認識と他者の視線の不自然な一致があります。しかし、津田の絵においては描かれた生き物の自己認識とわれわれの視線は完全にずれています。異形の怪物は自分の姿を当然のものとして享受しているかのようであり、その自己認識はわれわれのその生き物に対する認識(すなわち「異形の怪物」)とはまったく違ったものです。このことによって津田の描く生き物は見る者から独立した主体性を感じさせ、そのコミカルなタッチにもかかわらず並はずれたリアリティを獲得しています。

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